エッセイ-LIFE STYLE-

筆文字メイキングvol.1「骨格編」~筆の三原則~

目次

人生に愛されるモテ文字のお稽古Lesson4

こんにちは夏生です。

美文字ってなに?…出版社の造語です。美しい文字のことですね。かつては美文字のことを「能書」って呼んでました。こっちのほうがカッコいい気がするけど、現代人にはピンと来ないわよね。

ってことで、美文字の基本原則をおさえるべく、今日から3度に渡って解説していきますよ。

美文字の三原則とはズバリ、「骨格」「筋肉」「脂肪」です!

いや、夏生さんあんたトレーナー?ライザップですか?

まあ、ザックリ言ってそうです。文字のバランスも人体のバランス整えるのと一緒なんですよ。人体に関わらず色んな物体のかっこいいバランスって抽象化していけばグッとくる「良い構図」に整えることなんでしょうな。

そういうわけなので今日は文字の「骨格」についてサラッと勉強していきましょう。

美文字の骨格「背骨」

人間の体に骨がなくて、筋肉だけでウニョウニョ動いていたら、ちょっと気持ち悪いですよね。いや、もしそれがスタンダードだったら我々にとって万物の美しさの基準が違ってくるかも知れませんが…。

それはさておき、生徒には書き方を理解してもらうために、音楽やスポーツなどいろんな例えで伝えているのですが、一番多いのが「擬人化」です。「この字は今にも転びそう」とか「ちょっと風吹くだけでこの帽子絶対飛んじゃいそうだからもっと深く被ろう」など。

特に、字の中心線である「文字の背骨」については頻繁に指摘します。初心者はとにかく字の背骨が曲がる。また行の背骨も曲がりがちです。文字の中心や行の中心を身につけるのはなかなか難儀なのでしょう。ただ、これができるようにならない限り、各部分が上手になったとしても全体がバラバラに見えてしまうんですよね!

筋肉だけあって骨のないウニョウニョ文字になっちゃうんですよ、ふつうにキモチワルイですね。

猫背のお嬢ちゃんとシャンとしたおばさま

例えば街中に「顔はかわいいのにイマイチ・・・」という残念なお嬢さん、いますよね。顔立ちは整っているのに姿勢が悪かったり、所作が雑だったりすると「もったいないな」と感じます。逆にお年を召していてもシャキっとした姿勢でフローラルなオーラいっぱいに歩く奥様にはうっとりすることありませんか?

おそらく各パーツは前者の方が「整っている」のかもしれませんが、どちらが美しいかというならば、後者の奥様に軍配が挙がるでしょう。

文字も同じです。ひとつひとつが多少荒いところや足らないものがあっても、スッと一本筋の通った字の並びができるとすごくスタイリッシュに見えるものです。

続いて、字や行の「背骨」以外に気をつけると美しくなる骨格について考えてみましょう。

美文字の骨格「肩甲骨」

だんだん変態じみてきましたが、構わず進みます。付いてきて下さい。

最近の、女性をターゲットにした美容本にとても多いテーマですが、肩甲骨って美容と健康にとって大切らしいですね。私もやってますよ肩甲骨ストレッチ。まんまとストレッチポール買いましたよ。気持ちいいし姿勢よくなるからあれは買ってよかった。

で!!文字の肩甲骨も超大切です。

文字の「背骨」が仮に整ったとしましょう。俺はもう中心線は制した!って勇者になれたとする。

ところが・・・なんとも締まりのない字!というときは「字の肩甲骨」がキュッと寄っていない証拠。両脇からのハリがないと全体的にだらしない印象になるものです。

このように、字の骨格を整体していくことが美しい文字の第一歩と思って下さい。

心のゆとりが視座を高める

とはいえ習い始めのうちは、骨格への意識までなかなか行き届きません。何度も注意をしているうちに、背骨や肩甲骨への意識ができるようになります。

それはテキストや自分の手元を見る視点が上がり、視界が広くなるからです。字を見る心のレンズがズーム機能を手に入れ、全体と詳細とを同時に把握するようになる。すると不思議なことに、書く人の姿勢までキリっとしてきます。

心にゆとりができ、視点が上がった人の書いた文字軍は軽やかで伸びやか。良いリズムと緊張感が漂うものです。

今日から手書きで文字を書く時、少し自分自身の背筋も伸ばし、文字の中心である「背骨」と美しさの秘訣「肩甲骨」を意識してみましょう。今までの文字より少しキリッとした字になることでしょう。

 

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